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永久歯が生えてこない場合の対処法(治療法)

乳歯が抜けてしばらく経っても永久歯が生えてこない場合のケースとその時の対処並び治療法に関して説明します。

ケースとしては

  1. 永久歯の生え替わる時間的要因(正常)
  2. 歯肉が硬い
  3. 先天性欠損による永久歯がない場合
  4. 余計な歯が存在している
  5. 永久歯の位置異常

があげられます。

目次

永久歯が生え替わる時間的要因(正常)

永久歯が生え替わるタイミングの時間的要因もあります。

乳歯の根っ子が永久歯の萌出に伴いある程度、歯が溶けてくると、物理的な刺激、例えば食事中に、食べ物が歯にあたったり、噛み違えたりなど色々な要因があります。

早い段階で乳歯が抜けしまうと、当然ながら出てくるまでに時間がかかります。

逆に、ある程度永久歯がすでに出てきており、乳歯が抜けた歯のお肉すれすれまで永久が出てきていれば、乳歯が抜けてすぐに永久歯が出てきます。

前者の乳歯が早い段階で抜けてしまった場合は、半年から1年経っても永久歯が出てこないと言う事になります。

重要なのは乳歯が抜けたタイミングではなく、永久歯が出てきた時の左右差をみます。

永久歯が完全に生えてから(少し出てから約4ヶ月かかります)反対側の永久歯が6ヶ月経っても出てこなかった場合は、何かを疑ってX線を取る事をおすすめします。

本来は定期的に顎全体のレントゲンでチャックすれば良いのですが、保険ではお子さんの顎全体のレントゲン写真は認められていないのと、お子さんの場合は、成長があるので、定期的に無意味にレントゲンを撮影する事は、放射線被曝の観点から得策ではありません。

部分的なレントゲンは、子供でも保険適応になりますので、心配であればあれば小さな写真でしたら撮影するのも1つの手です。

この時は、レントゲンの被曝と永久歯の存在による安心感との天秤となります。

ただ永久歯の反対側が完全に生えきっているのに、6ヶ月経っても出てこない場合は、別の要因の可能性も有るため、レントゲンの撮影がベストな選択となるわけです。

対処法(治療法)

この場合の対処法は経過観察です。

ただし永久歯の根っ子が完成してしまっている(完成が近い)と出る力は無くなっているので、歯肉を切ったり、出るのを邪魔している骨を除去してあげる必要があります。

完全に出る力がなくなっている場合は、歯を引っ張り出してあげる必要があり、状態によっては矯正との契約が別途必要とんなるケースもあります。

ちなみに、永久歯が出る力がMAXとなるのは、前歯部で永久歯の根っ子が半分出来上がった時、臼歯部では永久歯の根っ子が2/3出来上がった時が最も出る力が強くなります。

歯肉が硬い

イメージとしてゴム手袋をイメージして下さい。歯肉がゴム手袋のような状態になってしまい、永久歯が出てこようとしているのを、ゴム手袋で覆ってしまっている状態です。

この時はあからさまに歯肉が盛り上がってきます。

肉眼でも解ります。

このまま放置してしまうと最悪のケースですと永久歯が出てこられなくなります。

対処法(治療法)

歯科医院で歯肉を切開してあげて下さい。

1週間ぐらいで嘘のように歯が出てきます。保険も適応されますので、早めに歯科医院の先生と相談して下さい。

先天性欠損よる永久歯がない場合

前歯部だと乳歯が癒合歯の場合起こりやすいです。

乳歯の癒合歯に関しては別記事で説明していますので、そちらを参考にして下さい。

前歯部だけでなく臼歯部でもおこります。

現在この手の研究は行われていますが、遺伝的な要因もあると言われていますが、まだ無名な点が多いないようです。

隔世遺伝のように両親の世代では現れないが、孫の世代で現れたり、欠損している部位や歯の本数も世代や兄弟間でバラバラであったりします。

対処法(治療法)

なくなっている歯を作る事は出来ません。

まずはなるべく乳歯を残すという対処法を取ります。

ただし、乳歯はオタマジャクシのシッポと同じで、無くなる事が運命づけられた細胞なので、自然と乳歯の根っ子は年齢と共に溶けてしまし、最終的には抜けてしまいます。

前歯で上手く虫歯にせずに理想状態で30歳前後が寿命の年齢となります。

お子さんの年齢が30歳になれば、十分自分で決断できる年齢でもあるので、そこの部分の歯は、成人の処置と同じ、インプラントや、ブリッジ、入れ歯あるいは放置という選択はお子さん本人が選択すると良いと思います。

個人的な経験で臼歯部の乳歯が46歳でも存在しているのは、数名経験しています。しかし、乳歯の根っ子はほとんど溶けて無くなっており、お肉にかろうじて乗っている状態で、お肉や骨に若干に吸収が認められます。

お肉や骨の状態を考えると抜いて処置をした方が良いのか迷いますが、ブリッジの場合は、両隣の歯を削る事にもなります。

他の処置も、それぞれデメリットは存在するので処置には迷いますが、私の場合は様子をみます。(同業者で、コメントがあればお願いします)

余計な歯が存在している

子供で余計な歯が存在しているケースとしては、過剰歯と歯牙腫があります。過剰歯は聞いた事がある人がいるかもしれませんので、今回は割愛しますが、歯牙腫は、ミニチアランドセルみたいに、顎の中に歯の頭のミニチュアが10個〜20個くらい埋まっていて、永久歯が出てくるのを邪魔します。

対処法(治療法)

歯牙腫によって邪魔された永久歯は状態によって成長が出来なくなってしまうケースもあるので、なるべく早く見つけて、早めのOPEが理想です。

過剰歯ならびに歯牙腫の場合はOPEのタイミングを担当の先生と相談して下さい。

永久歯の位置異常

永久歯の位置がずれていたり方向がずれていたりするケースがあります。

特に永久歯の方向が90度ずれて真横にいるケースがあります。

このケースは3番目の永久歯の犬歯にみられる事があります。

このケースは放置すると前歯の永久歯の根っ子を溶かしてしまい、最悪前歯が揺れて抜けてしまうケースも想定されます。

対処法(治療法)

理想の処置としては、永久歯を引っ張って、矯正治療となります。

もし保険治療だけとなった場合は、埋まっている永久歯を抜歯しておしまいとなります。永久歯を抜歯する行為に関して抵抗がある人もいるかもしれませんが、埋まっている歯が原因で前歯の永久歯が数本抜けてしまう方のリスクが高くなります。

そう言いつつも、なかなか抜歯まで踏み切れないのも事実です。

もし埋まっている歯の根っ子がほぼ完成しており、これ以上歯が移動するリスクが少ない場合は埋まったままにする事も有ります。

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この記事を書いた人

歯科大学卒業後、小児歯科を専攻として大学院を卒業し博士(歯学)号を取得。大学の小児歯科教室で教員を務めた後、地元で小児歯科を専門として開業しつつ、大学の非常勤講師(小児歯科)に任命中。小児歯科学会の認定医、専門医試験に合格して現在は専門医の資格を所有。小児歯科を専門とした歯科医師です。

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