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子供のケガで上唇小帯が切れた時

好奇心旺盛な赤ちゃんや子供達は、目を離した瞬間に予想もしなかった行動で、ケガにつながる事が多いです。とくに前歯をぶつけたとか、口の中を切ったという事も珍しく有りません。

今回は、上の歯の歯茎の真ん中にある上唇小帯を切ったケースに関しての対応を説明していきます。

目次

ケガで上唇小帯が切れた

諸説有りますが、もともと上唇小帯は、小さい時に唇がめくり上がらないようにするための構造と言われています。

年齢が上がる事により、その役割は減っていきます。

そのため上唇小帯の位置関係と厚みは変わっていきます。

個人的な経験では、上唇小帯の位置は変わりますが、厚みは大きく変わらないように感じますが、治療の教科書としては、上唇小帯の位置並びに厚みは年齢が上がるにつれて、位置は上にずれていき、厚みは薄くなるとされています。

この上唇小帯の位置が歯の近くになっていたり、厚みが厚いと、永久歯の萌出や永久歯の位置の邪魔をしてしまう事があります。

そのため、位置や厚みに問題がある人は永久歯の今後を考えて、時期を診て切除します。

つい最近は見かけませんが、昭和の時代なんかでは、医科の方で生まれたら、すぐに切る事も珍しく有りませんでした。

話は戻りますが、子供の場合、上唇がめくれるような、下から上に向かって上の唇がめくれるような力が加わった時や、物が強く上唇小帯にぶつかった時に、切れてしまう事があります。

ぶつけた当初は、口の中が血だらけでどこを切ったのか把握出来ないケースも多いいと思います。

歯科医師の立場からすると、口の中をぶつけたらすぐに歯科医院に来て下さい!が基本なので、すぐに近くの歯科医院を受診して下さい。

実際にケガをした場所が室内であれば、感染のリスクは0では有りませんがかなり低くなります。

外でケガをした場合は、口の中に砂が残っていないかの確認と、残っていたら清潔に保つためにうがいなどで、口の中をきれいにして下さい。(歯が抜けてしまったケースは今回は想定外で、上唇小帯のみを切ったケースとします)

そしてなるべく早く診てもらって下さい

上唇小帯が切れた時の治療方法

お子さんが上唇小帯を切った時の大半の処置は経過観察です。考え方を変えると、始めに書いたように、上唇小帯は、年齢が上がっていって、上唇小帯の位置や厚みに問題があると切除しなくてはなりません。

また、昔は生まれてすぐに切除する事も珍しい処置ではありませんでした。

そのことを踏まえると、表現が乱暴かもしれませんが、たまたま、今、切れてしまったと、考えて、将来的に切る手間が省けたと考えられます。

ただ問題は、状態の言い条環境で上唇小帯を切ったのか、それとも環境が悪い状態で切ったのかが問題があります。

それと切った後の後処理の問題もあります。

医療機関で切った場合は、環境も良く、切った後の後処理もします。

しかしそれ以外の場所で切ったとなると条件が違います。

基本的な処置としては、傷口が開いていない状態では、経過観察となります。2歳くらいでケガをするケースは多いいので、2歳の子には短時間で処置を終わらせるという意味もあります。

しかしざっくり切ってしまった場合は、2歳でも糸で縫うケースも出てきます。

基本的には迷ったら縫うというのが定説ですが、年齢が低いとかなり迷います。

それと外なので感染の疑いがある時は、抗生剤の投与も重要となります。室内でぶつけたケースは、感染の可能性は低いので、抗生剤を投与しない先生も多いと思います。

その後何回かの消毒や薬を塗っていくケースもありますので、上唇小帯を軽くケガした程度であれば焦らなくても大丈夫ですが、なるべく早くかかりつけの先生のところを受診して下さい。

 

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この記事を書いた人

歯科大学卒業後、小児歯科を専攻として大学院を卒業し博士(歯学)号を取得。大学の小児歯科教室で教員を務めた後、地元で小児歯科を専門として開業しつつ、大学の非常勤講師(小児歯科)に任命中。小児歯科学会の認定医、専門医試験に合格して現在は専門医の資格を所有。小児歯科を専門とした歯科医師です。

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