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上唇小帯の異常と上唇小帯切除術

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上唇小帯に異常

上唇小帯は出生時に太く、付着部も乳歯の歯と歯の間近くまでありますが、年齢が上がるにつれて退化していき、通常は退縮していきます。

もしこのプロセスに問題があったり、元々、太さが太かったりした場合は、永久歯の歯と歯の間が閉じずに開いてしまう正中離開、歯並びの問題の歯列不正、上唇部の清掃こんなに伴う虫歯などがあげられます。

このような原因になっているあるいはなる可能性が高い場合は小帯の切除や整形術を行っていきます。

上唇小帯切除術、整形術

切除の方法は、大きく分けて2通り有ります。

1つは昔ながらのメスで切除してから、傷を糸で縫う方法。

2つ目は、Co2レーザーを代表としてレーザーを使用する方法。

それぞれのメリットデメリットを診ていきましょう

メスを使用する場合のメリット、デメリット

1番のメリットは、完全に傷の跡が消えるのが早いがメリットです。

ここで完全にという表現に注意で、レーザーでもほとんど解らないレベルの傷という意味ではそれほど変わりがありません。

レーザーで言うと、言われれば、少し色が違いで、傷がまだあるかな?程度で、言われなければ気がつかないレベルの治りであればそれほど両者に違いがありません。

デメリットとしては、メスで切って糸で縫うという行為があります。イメージとしては手を切ってしまった時の状態を想像して下さい。

傷はヒリヒリしますよね。刺激物に対してしみますね。そのヒリヒリ感は傷ですから数日続きます。

それと傷ですから、傷からバイ菌が入ってしまうと感染の可能性があります。そのため、抗生剤を処方するケースが多いいです。

そして糸で縫いますので、糸が口の中に入っている違和感もあります。

さらに糸を抜く時に、スッとした違和感があります。

糸抜きは手術後1週間後くらいで、その頃には傷はだいぶ治ります。

レーザーを使用する場合のメリット、デメリット

レーザーの種類にもよりますが、大学病院などではCo2レーザーを使用します。購入価格が安い半導体レーザーはありますが、半導体レザーはCo2レザーのメリットの痛みや、傷の治りにだいぶ差が開くので、ここでは、Co2レーザーを使用してのメリット、デメリットとします。

まず、傷口は溶けて塞ぐので、感染のリスクはほとんど無いです。

痛みに関しても通常次の日まで違和感があるといった表現が適切で、痛いとは少し感じが違います。

神経質なお子さんで、3日目の朝ぐらいまで違和感を訴えますが、そのようなお子さんは少ないです。

メスに比べて若干の傷の治りが遅いのがデメリットですが、あからさまな傷ではないので、さほど気になりません。

術中は、レーザーを使用しますが、同じ場所に10秒から15秒くらい当てると少しずつ切れていきます。そのため、急に動かれた場合はレーザーが他の場所にぶつかっても、すぐに切ってしまう事はありません。

一方、メスの場合は、一瞬でザックリ切ってしまうデメリットがありますが、レーザーはそれがないので、術者もかなり楽に処置が出来ます。

傷の形も先生間の腕の差が出にくく、一様な形に完成できます。

たしかにメスの場合は、ものすごく縫うのがトップクラスの上手な先生に当たれば良いですが、そのような確率はほとんどありません。

総合判断をするとCo2レーザーによる小帯切除、形成術はかなりメリットがあります。

半導体レーザーは組織の深部まで損傷させてしまうため、術後の痛みは大きく、傷の治癒も遅い傾向があります。

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この記事を書いた人

歯科大学卒業後、小児歯科を専攻として大学院を卒業し博士(歯学)号を取得。大学の小児歯科教室で教員を務めた後、地元で小児歯科を専門として開業しつつ、大学の非常勤講師(小児歯科)に任命中。小児歯科学会の認定医、専門医試験に合格して現在は専門医の資格を所有。小児歯科を専門とした歯科医師です。

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