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舌小帯短縮症と手術(子供)

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舌小帯の異常(舌小帯短縮症)

舌小帯は新生児では太くて短く、舌の先端付近まで付着しているケースが多いいです。上唇小帯と同様に、成長に伴って短縮していきます。

上唇小帯に関しては同サイトの別記事で特集しているのでそちらを参考にして下さい。

舌の運動障害や発音障害があからさまな時は4歳〜5歳までの経過観察を行い、手術するかを決めています。

その他にもアッカンベーをして舌をできる限り突出させた時に舌の先端がハート型に舌の真ん中に凹みが見られたら、切る方向も検討となります。

実際に見てみて、症状が非常に軽度や、舌のハート型が微妙な時は手術自体をどうするか迷う事が多いいです。

扱いとしては手術になるので、無理な負担を与えるという意味では、日常生活で困っていないという事を考慮すると、無理に手術しない方が良いのかな?と思う事が多いいです。

個人的な意見としては、手術をしておいた方が、後々を考えるといろいろと成長上有利になる事が多いいような気がします。

大学病院に所属していて時は、かなりの手術を行いましたが、開業してからは、大学病院でやってもらうようにしています。

余談ですが、大学に所属していた時の先輩に、あの程度で、大学に送りすぎ!と、おこられましたが(こりもせず送り続けています)、その先輩も、小さくても切っておいた方が、良い結果になる事が多いい様な気がすると言われ、ご自身のお子さんも、舌小帯の付着が軽度でしたが、手術したみたいです。

舌小帯短縮症など舌小帯の付着が強いと、特に“た”の発音にトラブルがあります。

“た”は通常、上の歯の裏側の歯肉に舌がついて発音します。お年寄りの入れ歯作成でも、この部分は非常に重要で、義歯の作成にこだわりのある先生は、個個にヒダをつけたりします。

ところが舌小帯短縮症の方は、舌を上の歯の裏側につける事が出来ない(舌小帯で、舌を上に伸ばす事が出来ず、運動障害もあるため)ので、舌を上の前歯に当てて、舌を突出させるようにして発音します。

連続して“た”の発音をさせて聞いてみるとだんだん“たつ”と聞こえてく売る時もあります。

おうちで舌の小帯を判断するのは少し難しいですが、1つの目安として、舌の先端がハート型に割れているかどうかで判断するのも良いと思います。

舌小帯教職症の手術

基本日帰りで、歯を抜く時と同じ麻酔で行っていきます。

手術の方法は、上唇小帯の切除と同じくメスで手術する方法とレーザーで手術する方法があります。

舌小帯の場合は上唇小帯のケースとちがってメスで手術する方が、良いと言われています。

それは、レーザーだと誤って唾液腺を傷つけてしまう恐れがあると言われているからです。

私自身、メスとレーザー(Co2レーザー)を使って手術を多数してきましたが、唾液腺を傷つけた事は1度も有りませんでした。

Co2レーザーは違うところに当たってもすぐには切れず10秒前後当て続けないと切れません。

推測ですが、同じレーザーでも半導体レーザーを使用する先生もいます。

半導体レーザーは組織深部で熱をもち内部で損傷させるので、半導体レーザーを使用すると治りも遅く、痛みが出る認識でいるので、レーザーとひとくくりにすると半導体レーザーもレーザーによる処置になりますので、そういう意味合いがあるからと思われます。

正式な術式としては、舌の先端と、切除する部分に麻酔をします。

舌の先端はなぜ?と思う人がいますが、手術は舌の下側の処置を行います。

その時の舌が動いてしまうと、別の場所を切ってしまいます。

そのため、舌の先端に麻酔をして、舌の先端を、縫う時の糸と針を使って、舌を貫通させてベロの先端を注ずるに引っ張れるようにします。

こうする事によって、舌が急に動かないように制御します。

私もよくやっていましたが、Co2レーザーでの処置限定になるかもしれませんが、舌の先端に麻酔をすると、しばらくは、コリコリした違和感が残るので、それが嫌で、歯科で水を吸う時に使うバキュームを使用して、舌の先端に麻酔をせずに、バキュームで舌を吸盤のごとく吸って、引っ張ります。

外れしまいそうな時は、外れる前に手に感触として伝わってくるので、外れる前に気がつきますが、この方法は、相当な熟練された先生でないと不可能なので、この方法で依頼してもまず断られます。それに正式な術式ではありません。(裏技的な方法です)

Co2レーザー(半導体でなく)でやるメリットは、痛みが少ない、感染の可能性が低い、糸を抜く必要が無い、治った時の傷の跡に先生の腕の差が出にくいなどがあげられます。

デメリットしては、唾液腺を傷つける可能性が有る(実際、大半(近年はメスを見た事がない)の先生がCo2レーザーで処置をしていますが、唾液腺を傷つけたという話は耳に入ってきていません)

逆にメスの場合は、Co2レーザー処置の真逆になります。

小さなお子さんの場合は、大人より手術に耐えられる範囲が狭いので、なるべく短時間で、痛みが少なく、と言う意味合いで、Co2レーザーをおすすめします。

Co2ですかれね!

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この記事を書いた人

歯科大学卒業後、小児歯科を専攻として大学院を卒業し博士(歯学)号を取得。大学の小児歯科教室で教員を務めた後、地元で小児歯科を専門として開業しつつ、大学の非常勤講師(小児歯科)に任命中。小児歯科学会の認定医、専門医試験に合格して現在は専門医の資格を所有。小児歯科を専門とした歯科医師です。

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