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[小児歯科]母乳は虫歯になるのか?

目次

母乳は虫歯になるかと言う疑問

・母乳と歯の関係
・別の要因
・別の要因の解決方法
・母乳による虫歯の特徴
・まとめ

母乳と歯の関係

お子さんのお口の中には母乳つまり乳糖を分解する菌が存在します。そのため菌は母乳を栄養として酸に変えます。そのため歯を溶かす要因として働きます。しかしその出る酸は少量で、酸によって傷ついた歯は条件がそろうと再石灰化と言って修復する機構があります。どのくらい修復されるかは成人の分野での報告ですが最大の理論値で300μの修復が可能と言われていて、1回の食事で溶ける量は50μ前後と言われています。
乳歯と永久歯の違いもあるので一概には比較できませんがお口の中の条件が極端に悪い状況で無ければ母乳で虫歯にはなりにくいでしょう。
回答の結論としては何か別の要因がなければ母乳では虫歯になりにくいと回答になります。

別の要因

母乳で虫歯になってしまう別の要因としてあげられるのは
・食後母乳を飲んでそのまま寝る
・卒乳時の問題
・普段口が開いている
・その他
上記の要因があげられます。
食後(離乳食含む)の満腹により気分が良くなりそのまま母乳を飲んで寝てしまうケースが当てはまります。
歯科医師の立場で言うと母乳を飲んだ後は歯ブラシ(ケースによっては湿らせたガーゼ)をしてから寝かせなさい!と言われますが、母親の立場からするとやっとの思いで寝かせたのに歯ブラシで起こさないといけないのか?と思うかも知れません。
母乳自体は歯を溶かしにくいかも知れませんが、食べかすと母乳が口の中で混ざりジュースの役割をしてしまい、ジュースを飲んで、うがいや歯ブラシをしないで寝るのと同じになるからです。
卒乳時期に関しても上記の理由とほとんど同じなのです。卒乳の時期の詳細は今回は割愛させていただきます(参:日本では1歳半を目安としてます)。
口が開いていると虫歯になりやすいのは、口の中が乾燥して菌の繁殖が良くなるからです。根本の鯨飲は食後母乳を飲んで寝る行為に関連しますが、さらに口が開いていると進行を加速させます。

別の要因の解決方法

母乳で虫歯になる最大の理由は食後母乳を飲んで汚れを落とさない要因が大きいことを理解していただいたと思いますが、寝た後にどのように歯ブラシをしたらいいか疑問に思うかも知れません。歯科医師の立場は母乳後歯ブラシですから!
良いとはいえませんが妥協案が食後歯ブラシをして母乳を飲んで寝る場合は、食後の歯ブラシによって汚れが落ちていればその後の母乳はジュースの役割でなく、母乳と口の中に入るので酸の産生量が少なくなります。欲を出せば軽く濡れたガーゼなどで拭いてあげると良いでしょう。歯ブラシが不十分で汚れが残っていれば当然虫歯になりますのでしっかり磨いて下さい。

母乳による虫歯の特徴

母乳による虫歯は特徴があります。母乳と食べかすでジュースなる点と、母乳自体は液体なので液体のよる虫歯の特徴が著名に現れます。
上の前歯を中心に虫歯になります。
逆に奥歯にで来た場合は母乳が原因でなく別の要因が考えられますのでもう一度食生活を見直して下さい。

まとめ

母乳は虫歯にならないではなく、なりにくい。母乳が原因で虫歯になるときは上の前歯に虫歯ができる。母乳で虫歯の最大の原因は別の要因が組み合わさって作用している。

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この記事を書いた人

歯科大学卒業後、小児歯科を専攻として大学院を卒業し博士(歯学)号を取得。大学の小児歯科教室で教員を務めた後、地元で小児歯科を専門として開業しつつ、大学の非常勤講師(小児歯科)に任命中。小児歯科学会の認定医、専門医試験に合格して現在は専門医の資格を所有。小児歯科を専門とした歯科医師です。

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