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第57回 日本小児歯科学会開催とプログラムから見る傾向

目次

小児歯科学会開催

・開催の詳細・特徴
・学会の講演内容
・今回の講演の傾向
・まとめ

開催の詳細・特徴

2019年6月10日(月)・6月11日(日)の2日間にわたり北海道の札幌コンベンションセンターで第57回日本小児歯科学会大会が開催されます。
一般的に言われている小児歯科の学会は、今回のような日本小児歯科学会が主催する全国大会と、各地方の小児歯科の地方の団体が行う地方会に大きく分けることが出来ます。
中心となる担当も違います。今回のような大会は歯科大学が中心となって開催するのに対して、地方会は大学の小児歯科に在籍かつ開業している先生が中心となり、在籍している大学と連携して担当します。
当然ながら内容も担当の性質から若干異なってきます。全国大会は学術的な学問の研究発表が多くなる傾向があります。一方、地方会は臨床的(診療)なテクニックや研究による発表が多くなります。
それでは患者さんの立場からすると臨床的な地方会が有意義と思われますが、一概にはいえません。
全国大会と地方会は規模の違いもありま。発表する先生も全国の先生を相手に発表するのと、地方の一部の先生に発表するのでは規模と内容も変わってくるのも事実です。

学会の講演内容

今回のメインとなる講演を見てみます。個人発表のポスター発表や委員会等の発表は割愛します。

6/10プログラム

・「いのち」について考える
・生体リズムを制御する体内時計機構
・小児歯科におけるスマートプリベンションのすすめ〜S-PRG製品を応用した効果的なう蝕予防テクニック〜
・こころの準備ーなぜ必要か、その効果は?ー
・上顎前突症例に対してFKOの適応症と治療開始時期
・Bioblok療法の最適な介入時期
・ツインブロック装置による上顎前頭の顎顔面整形治療の治療効果

6/11プログラム

・Prevotella melaninogenica のⅨ型分泌機能の病原性への関与についての研究
・Streptococcus mutans が引き起こす非アルコール性脂肪肝炎悪化メカニズムの研究
・To tell the tooth 〜小児歯科救急の落とし穴〜
・0から2歳児の歯科教室〜診療室から歯科医師会までの取り組み
・「食」を軸とした乳幼児期からの発達支援の取り組み
・未成年者に対する歯科治療についての医療契約・医療同意の注意点
・難病(底ホスファターゼ)を早期発見するためのシステムと小児歯科医の”気づき”
・口呼吸症候群の現状と口唇閉鎖〜りっぷるきんとりっぷるとれーなーの臨床〜
・私たち小児歯科医は子どもの口をどのように育てたいのか
・こども園との取り組みから交合誘導を考える
・リズムと遊びと暮らしで育つ子どもの実践から見えたこと
かなりあるのがわかると思います。スケジュール的にもかなりハード内容です。

今回の講演の傾向

プログラムを大きく分けると
・研究系
・臨床系
・その他
に分類できます。特に注目したいのはその他の項目でそれぞれの年度の特徴がでる講演です。
その他の内容の一覧
・「いのち」について考える
・生体リズムを制御する体内時計機構
・「食」を軸とした乳幼児期からの発達支援の取り組み
・未成年者に対する歯科治療についての医療契約・医療同意の注意点
・リズムと遊びと暮らしで育つ子どもの実践から見えたこと
いのち・生体リズム・暮らしで育つ子どもというキーワードが出てきます。一見歯科とは関係ないように見えます。全身と口の関係が切り離せない状態で歯科は口だけを診てれば良いので無く、子どものダイナミックな成長を促して行く必要がある内容です。契約書に関しても現在の歯科が抱える問題点の提起だと思われます。

まとめ

小児歯科全国大会は主に研究・治療の内容の講演が多いが中には時代の傾向に必要な講演が含まれてくる。子どもを治療するに当たり、歯だけを診れば良いので無く、個人それぞれの成長や生活習慣など全身的な要因を観察する必要があると思わせるプログラム構成になっているのがわかります。
内容によっては開催後記事にしていきます。

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この記事を書いた人

歯科大学卒業後、小児歯科を専攻として大学院を卒業し博士(歯学)号を取得。大学の小児歯科教室で教員を務めた後、地元で小児歯科を専門として開業しつつ、大学の非常勤講師(小児歯科)に任命中。小児歯科学会の認定医、専門医試験に合格して現在は専門医の資格を所有。小児歯科を専門とした歯科医師です。

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