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[小児歯科] 転んで(ぶつけて)永久歯が抜けてしまったんだけどどうしたらいい?

目次

外傷によって永久歯が抜けてしまった時の対応方法

・永久歯が外傷で抜けてしまった時の対応方法
・低脂肪牛乳とか色々種類があるけど
・処置と予後は
・まとめ

永久歯が外傷で抜けてしまった時の対応方法

昔のお婆ちゃんの知恵袋で歯をぶつけたら歯医者に行くなと言う言葉がありますが、永久歯が抜けてしまった場合は直ぐに歯医者に行ってください。特に小学2〜3年生ぐらいで友達とぶつかって前歯を当ててしまうケースが多いです。運動能力的には問題ないのですが、友達との連携(スポーツ)が上手く出来ないことに事による外傷が多いです。当然それ以外の不慮の事故もありますが、そのほかにもこの時期は上の顎の成長のピークで出っ歯気味になる事も原因です。
歯をぶつけて抜けてしまった場合、歯の周りには歯根膜と言ってこの膜の生存の有無が歯科治療状の成功率に大きく影響します。抜けてから2時間以内が勝負で早ければ早いほど有利で遅くなればなるほど予後が悪くなり状態が不利になります。最悪、歯の根が溶けてしまい自然に抜けてしまいます。
学校であれば歯の保存液を用意している事が多いので直ぐに入れてもらうのが良いでしょう。保存液であれば12時間前後まで伸ばすことができます(製品にもよりますが。一部の報告では牛によっては24時間持つものもあると言う報告もありますが、基本的な考え方として2時間と考えるのが一般的です)。もしなければ牛乳の中に保存するのがベストです。水に入れたり、水で濡らしたティシュに包んで歯医者に持っていくのは決してやってはいけません。ただし歯が抜けた場所が外で砂とかが非常に多く付着してしまった場合は、理想としては生理食塩水や牛乳、保存液で洗浄しなくてはいけません。外部の菌による感染によりトラブルを防ぐ必要が出てきます。そう言う意味では本来は水の使用はダメですが、汚れの除去を一時的に行うのであれば、必要に応じて水もいいですが、なるべく早く牛乳や保存液に入れてください。
もし保存液と牛乳も無いとなる状態の緊急時は唾液をお口の中にためて唾液に歯が完全に浸るようにして口の中に保存します。ただし注意点として歯をガリガリ噛んだりするのはしてはいけません。歯の膜が損傷してしまいます。
歯の膜の延命処置として生体と同じ浸透圧の液体の中で保存するのが基本的な考え方です。昔の対処策としてお湯を沸かし、水○○Lに対して塩○○gを入れて冷ましてその中に歯を入れて歯医者に行くと言う記載を見かけましたが、その作業だけで相当な時間がかかるので、それだけの時間があるなら歯医者に行け!と言うのが本音です。

低脂肪牛乳とか色々種類があるけど

便利なコンビニに行くと色々な牛乳が販売されています。安いものから高いものまで。牛乳選びは値段ではありません。基本的に普通の牛乳です。決して低脂肪とか書かれている物は使用してはいけません。でも意外と何も加工されていない牛乳って少ないのです。この時代、牛乳購入でもこだわって買う人多いですから。牛乳をスパーで購入する時みなさんはどうでしょうか?

処置と予後は

歯が抜けてから2時間以内であれば歯の膜が生きていると考えるので砂や汚れが無い事を確認しながら再度整理食塩水で洗浄(状態によっては省略します)して、戻して針金で固定します。固定期間は3ヶ月を目安にします。歯を戻してから数日後に神経を抜くケースが多いです。何で?と思うかもしれませんが、内部吸収と言って歯の内部から歯が溶けてなくなって仕まう事を防ぐためです。ただ必ず内部吸収を起こすわけでは無いので絶対に神経を抜くわけではありませんが、神経を抜くケースが多いです。内部吸収を確認してしてから神経を抜いても内部吸収は直ぐに収まらずしばらく続きます。根の先端がまだ完成していない場合は、生命力が強いため神経を残す処置を第一選択肢とする先生が増えてきますが、基本、歯の根ができていないケースでも神経の処置をする事もあります(ケースバイケースになります)。
歯が抜けてから2時間以上経って根が完成している場合は先に根の治療をしてから歯を戻す処置が一般的になります。
治癒経過はいくつかのパターンがありますが、理想状態(まずまれです)では元の状態になります。一般的に多いのは歯と顎が癒着して見た目状歯がある状態で落ちつく。悪い状態は徐々に根が溶けてしまい歯の頭が抜けて仕まうケースです。徐々に根が溶ける期間は数ヶ月で起きるケースもありますし、10年の歳月で徐々に溶けていくケースもあります。長期の意味では歯として見た目的に永遠に残る確率はかなり低くなりますが、考え方によりますが1年歯が持てば大丈夫と判断されることが多いいです。1年で安心せずに定期的にレントゲンを撮ってもらい予後を確認していくのが一番いいでしょう。

まとめ

歯が抜けてしまった場合は、歯が抜けてから経過時間が予後を左右します。そのため近くの歯医者に飛び込むのがいいです。その時必ず歯が抜けてしまったと受付で直ぐに言ってください。処置ができるか事前に電話で確認しておくのも手です。緊急性が非常に高いので優先的に見てもらえる可能性が高いので必ず伝えてください。
永久歯が抜けてしまった場合の運搬方法としては、保存液・牛乳(低脂肪とか特殊な加工の物は避ける)・唾液の中が選択肢となります。もし可能であれば掛かり付け医にもしぶつけて歯が抜けてしまった時どうしたらいいか事前に話し合っておく事を強くお勧めします。

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この記事を書いた人

歯科大学卒業後、小児歯科を専攻として大学院を卒業し博士(歯学)号を取得。大学の小児歯科教室で教員を務めた後、地元で小児歯科を専門として開業しつつ、大学の非常勤講師(小児歯科)に任命中。小児歯科学会の認定医、専門医試験に合格して現在は専門医の資格を所有。小児歯科を専門とした歯科医師です。

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