小児歯科専門医とは
小児歯科専門医とは、日本小児歯科学会が認定した制度です。
初めての歯医者さんはお子さんにとっては、お子さんの口の健康を一生左右すると言っても過言ではありません。お子さんのお口の中は、すべて同じでなく、お子さんによって全く違います。同じようでも全く違います。
そのためには、子どものお口のことを良く知っている先生に診てもらうことが大切です。そこで、日本小児歯科学会では、専門医制度を設けています。
小児歯科学会専門医は、厚生労働省の認可を受けた、高度な小児歯科に関する専門的知識並びに治療技術を有する歯科医師です。
小児歯科専門医は、厚生労働省の認可を受けた資格
小児歯科専門医は、ただ単に歯のことだけを考えるのでなく、子どもたちの歯のみだけでなく、歯肉や舌などの何組織・かみ合わせ・顎関節などの額顔面口腔全体の良好な機能と形態の維持増進につながる高度な小児歯科に関する専門的知識や治療技術、臨床経験をもった専門の歯科医師です。
全国の歯科医師の約1%のスペシャリスト
小児歯科学会に5年以上日本小児歯科学会に会員として在籍して、学会が認めた大学施設などの医療機関に5年以上臨床経験を積んだ上で、小児歯科臨床に関する報告を発表し、試験に合格した場合のみに与えられる、資格が小児歯科専門医の資格です。
その試験は、小児歯科に関する症例の検討並びに報告の提示だけで無く筆記試験などが行われ、審査が厳選に行われます。
資格所得後も、ただ単に通過点としての資格でなく、一定のレベル以上の能力を維持するために、専門医として高い臨床レベルを維持するために、5年おきの更新、学術大会への出席や発表、および学術誌における報告を行うことや、地域の保険活動を通した社会貢献などを義務としています。
更新時には、成人と小児患者の割合の報告や、地域の貢献などの、リストの提出をも求められます。
執筆段階(2020/6)では噂レベルですが、社会における専門医の重要性を考慮して、外部の委員会が発足され、資格だけの幽霊資格保持者を淘汰するために、各症例における診療実績のリストの提出を義務化するという話が出ています。
日常の小児歯科診療を行っている先生には、全く関係ないレベルのお話ですが、名前だけでレベルの下がった専門医の社会的には必要が無いという傾向が現れた内容になっています。
そのため、小児歯科専門医の資格保持者はさらに減ることが想像され、非常にスペシャリストな資格保持者といえるでしょう。
小児歯科専門医を探すには
最新の情報をから探すのは、日本小児歯科学会のホームページから探すのが一番です。
日本小児歯科学会のホームページには、都道府県別に、先生の名前、施設名、住所、電話番号、指導医の順に一覧となっています。
指導医は、大学なのに一定の期間在籍して、一定の基準をクリアーして、申請した場合に取得できます。
私自身も条件はクリアーしていたのですが、当時、それほど主流ではなかったのと、申請していなかったので、指導医の取得はしていないので、持っていません。
技術的には、信頼性を求めるなら、指導医を取得している先生は、経験豊富な事を担保している可能性が高いので、指導医の資格のある先生をチェックするのも手ですが、小児歯科をメインとして開業している先生であれば、それほど気にしなくても大丈夫です。
問題は、資格を持っているが、名前だけで、小児歯科診療をメインと考えていない先生に当たってしまうのが、問題になるケースがあります。
別記事で紹介している内容にも記載していますが、小児歯科をメインとしている先生の歯科医院の特徴も見ながらチェックするのも良いと思います。
別の判断基準として、全国小児歯科開業医会のホームページから探すのも良いと思われます。小児歯科専門医、小児歯科認定医の資格を持っていない線の紹介もありますが、小児歯科をメインとして診療しているので、ある意味、専門医にこだわらないのであれば、全国小児歯科開業医会から、小児歯科に力を入れている先生を見つけることが出来ると思います。
小児歯科専門医と小児歯科認定医に関しては、別記事で紹介予定ですが、制度上の関係もあるので、それほど深く差を考えなくても大丈夫です。(専門医に関して、試験が難しく取得するには、認定医よりハードルが上がっていますが、認定医の新規取得制度は廃止されているので、若い先生がいないのも特徴です。)
注意しないしないといけない専門という言葉
客寄せとして専門や専門医を歌っているケースがホームページ上で見受けられます。以前確認したのが、「一般歯科の専門医だけではなく、小児矯正の専門医。・・・がお口の中を・・・」と言う記載を見つけました。
一般歯科の専門医はありません。小児矯正の専門医はありません。どのような解釈かというと、一般歯科をメインとして診療している専門の医者という意味です。
1人の先生が複数の専門医と語っているケースもありますが、専門の医者なのに複数の専門医があることに疑問があります。
今の日本の専門医制度なら最大で2つが限界だと思います。専門医はそれほど甘い物ではありません。
他には小児担当医、小児歯科医とかあります。
小児歯科専門医を宣伝なので使う場合は、必ず、
日本小児歯科学会認定、小児歯科専門医、○○(先生の名前)を入れなくてはいけないと定められています。
これがないときは、もしかしたら、自分認定、小児歯科専門医かもしれないので、注意が必要です。
インプラント専門医も、材料販売会社が使い方を説明した講習の受講で、インプラント専門医の資格を出す所もありますので、専門医と言う言葉には注意が必要で、そのため、専門医を広告として出して良い、医療広告ガイドラインを含めた医療法には、題して良い名前があります。(執筆当時段階の参考としてインプラントや予防歯科は含まれていません。)
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