目次
ぶつけて歯が顎の中に食い込んでしまった。
・永久歯のケースの処置と予後
・乳歯のケースの処置と予後
・その他
・乳歯のケースの処置と予後
・その他
顎の中に歯が陥没してしまった場合は永久歯と乳歯では処置が大きく異なります。歯が抜けてしまった時みたいに、抜けてからの時間は大きく影響しませんが、基本的にこのケースでもなるべく早くの受診が好ましいです。特徴としては歯は揺れずに固く動かない事が多いです。
永久歯のケースの処置と予後
永久歯が陥没した時は、基本的な処置としてはレントゲン撮影後、歯を抜くようにしてから元の位置に戻します。戻すだけでは歯が抜けてしまうので歯を針金で数本まとめて固定します。固定する歯が無く、歯を針金で止められない時はシーネと言うマウスピースを利用する事があります。その後1〜4日後に消毒。1週間後の消毒。その後は必要に応じで来てもらい消毒と確認をします。外傷に力を入れている先生は電気診を行うケースもあります。これは歯に電気を流して痛いと感じる電流を計測して神経が回復してるか麻痺(死んでいる)かを判断する指標として使います。ぶつけた日は神経が興奮状態にあり正常な判断数値が出ないためぶつけた日は行いません(ちなみに電気診は永久歯の外傷一般的に使用します)。ぶつけてから3ヶ月を目安に針金を外します(早いケースでは1ヶ月で外すケースもあります。日本外傷歯学会の基本指針では確か7週位を目安だったと思います)。その後は経過観察になるケースが多いいです。予後はいいケースがあります。
乳歯のケースの処置と予後
乳歯の場合は9割以上は永久歯と違いそのまま経過観察となります。1割が永久歯と同じ処置をします。そのまま放置でも1〜3ヶ月くらいで大分元の位置に移動してきます。あまり積極的に乳歯を固定してししまうと永久歯にダメージがいくケースもありますので、基本何もせずそのまま放置がいい成績を残します。ほほ付近まで歯が移動して食い込んでしまったケースも私自身経験をしました。これはかなりへービーだと考えて念のため大学病院を紹介しました。戻すのはまず無理と考え、抜歯窩経過観察になることを説明して紹介しました。大学病院の担当先生の判断は経過観察となりました。経過は私の所で行うこととなりました。
時間がかかりましたが、元の位置まで歯が移動してきました。問題点としては歯茎が少し変形して痩せてきましたが、状態として良好な状態になりました。冒頭では9割が放置と書きましたが、私の処置ならびに大学病院の処置の10割が放置です。1割の永久歯と同じ元の位置に戻す処置は、歯が食い込んだケースでなく位置が少し傾いてずれたケースで行うので1割のカウントの表現は少し症例グループとしては違うかもしれません。消毒ならびに確認の間隔ですが1〜4日後に消毒・1週間後に消毒と確認。1ヶ月後に確認。その後は状態に応じてとなります。
その他
永久歯と乳歯の両方に言えることですが感染の可能性があれば感染源に対する処置と抗生剤の投与が基本となります。次回の消毒の日にちが1〜4日となっているのは先生によって考え方が違い、感染を起こしにくいように次の日に消毒と考える先生もいれば、感染の初期症状が出るのが2〜4日後なので、室内であっても感染が起きたかどうかをチェックする目的で2〜4日後にあえて呼ぶ先生もいます。状態が非常によくなければ毎日または数日で呼ぶケースも出てきます。
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