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[レポート]脳の発達から考える子どもの睡眠と生活習慣の重要性

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脳の発達から考える子どもの睡眠と生活習慣の重要性

H30/10/6〜開催された日本小児歯科学会、第36回北日本地方会・第33回関東地方会合同大会・総会で行われたの講演内容を聴講した内容をレポートします。

子どもの脳の発達と睡眠との関係とその結果、生活習慣に影響すると言う内容でした。精神的に立派な大人に成長させたいと考えている方、暴れる、切れる、機嫌が悪い、ぐずつく、発達に障害があるのか気になる、育てにくいと感じる方向けのお話しでした。

[講演内容]

 脳は1番目に基礎的な生きるための体の脳(0歳〜5歳)がありその上に人間らしさや勉強、スポーツなどのお利口さんの脳(1歳〜18歳)、社会での成功などの心の脳(10歳〜18歳)があります。基礎が出来ていない所にさらに上の部分を作るために頑張っても、土台が細い積み木と一緒で何らなの影響によって崩れ去ってしまいます。(人間で言う精神疾患等もその1つです。)そのため基礎になる運動の脳を育てることは非常に重要な事と言う事になります。
 人間は昼行性で、夜行性の動物ではありません。昼行性の動物が夜行性の行動を起こした場合はホルモンバランス等が崩れ成長に大きな影響を来します。体内時計を含め人間にとって重要なのは朝起きることと光がポイントとなります。それにより体内でホルモンが産生され活動的なり光が弱くなってくると産生される別のホルモンの効果で睡眠に向けて体を誘導します。
 睡眠で必要な時間は上に示したとおりです。(この数字はNHKの放送用に作成されたみたいですが、”〜”表記の前の時間数は妥協した最低限の数値と話されていました。)4歳を超えたら昼寝は一切無くても十分な年齢に達するそうです。睡眠は深い眠りー>浅い眠りを4サイクル繰り返します。その内、始めの2回の深い眠りは体の成長を促す状態になります。一方、浅い眠りの4回全ては、人間らしさ、優しさ、お利口さんの脳を育てます。
 人間の起きる時間は6時〜7時(出来れば6時〜6時30分)です。発達に問題がある方は夜更かしが多く、その結果朝起きることが出来ず、そして保育園等のお昼寝の時間に分割した睡眠を取ります。睡眠の4サイクルが完成しないので体だけが成長し、お利口さんの脳が成長しません。その結果、朝起こすとぐずり、機嫌が悪くなるサイクルが生活習慣として続きます。
 この生活のため、早寝早起きとと言われて夜寝付かせようとしても一切寝ません。家の中も照明やTV、ゲームなど光が出る物が多く自然界で言うと夜がなく、昼間の時間が長時間続く結果となります。
 まず始めにやるのは1週間で良いので朝6時〜6時30分くらいに起こすことから始めることをお勧めしていました。当然朝起きません。でも起こして抱っこしてでも良いので(個人的にはカーテンを開けて光が直接体に当たるようにするのでも良いと思いますが。)太陽の光に当てる事で起床と相乗効果で体の中で産生されろホルモンが体を活性化するために体を起こそうとします。
 逆に午後3時を過ぎるて生成されるホルモンが体を寝かそうとするのですが、照明やTV、ゲームなど光が出る物によって別のホルモンの影響により脳が活性化されてしまい、夜更かしをしてしまう事で十分な睡眠が取れないので保育園等で長時間寝たら起きない状態なります。
 保育園のでは折角なので睡眠時間を決めるのも有効です。先生も寝てる方が楽だから起こさないのも夜眠れない原因の1つになります。保育園での時間を決めると当然睡眠が足りませんから疲れて寝付けが良くなるとお話ししてました。学年が上がっていてもこの生活をし、運動をするように心がけると朝食を抜かすと体が持たないので食べる習慣も付くそうです。逆に朝食べないとかは、その時食べる必要が無いため食事は取らず間食が増え結果的に栄養バランスが崩れてきます。
 大人の睡眠の場合は1サイクルが1時間30分で安定しているため4サイクルで6時間。睡眠の導入と覚醒を含めると7〜9時間の連続(分割した合計でなく)した睡眠で十分ですが、お子さんの場合は1サイクルが安定しないため大人以上の連続した睡眠時間が必要となります。
 4歳のケースだと最低10時間の睡眠が必要ですから朝6時に起きるためには夜8時に寝る必要があります。
 発達障害もどきや発達障害の方の大半は睡眠の問題があるケースが多いと報告していました。連続した睡眠が取れない場合はお利口さんの脳が発達しないため他人との協調性が取れなくなり自分中心の行動を取るためこだわりが非常に強くなります。
 通常ですと友人から嫌なことをされた時にいきなり暴れたりする方は少ないと思います。今は嫌だけど将来の付き合いを考えた時に仲良くする方が将来的な利益が大きいと考えるとその時は我慢する方が多いと思います。お利口さんの脳は将来を予測して行動できる脳です。でもそこが発達していないと将来を予測することが出来ないので、その場の感情で行動を起こします。
 問題を起こすお子さんの血液検査をして遺伝子検査を行った場合、危険因子の数と親のネガティブ的な育て方、ポジティブ的な育て方でお子さんの行動に大きく影響する事もお話ししていました。危険因子が0個のお子さんは親の育て方に影響せず一定の成長をしますが、危険因子が増えるにつれてネガティブな親の育て方だとお子さんはマイナス方向に向かいます。ですがポジテブな親の育て方だと原因遺伝子の数が多いほどお子さんはプラス方向に傾き、危険因子0個のお子さんより大きく成長します。(危険因子0個のお子さんは親の育て方に影響をおよぼさないそうです。)逆を返すと育てにくいお子さんほど大きく飛躍する可能可能性が高いとお話しされていました。

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この記事を書いた人

歯科大学卒業後、小児歯科を専攻として大学院を卒業し博士(歯学)号を取得。大学の小児歯科教室で教員を務めた後、地元で小児歯科を専門として開業しつつ、大学の非常勤講師(小児歯科)に任命中。小児歯科学会の認定医、専門医試験に合格して現在は専門医の資格を所有。小児歯科を専門とした歯科医師です。

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