はじめに
令和4年5月19(木)〜5月20(金)に千葉県の幕張メッセで日本小児歯科学会が開催されました。
この時の開催状態をレポートします。
今回の学会は、オンデマンド(web)と現地開催のハイブリット形式で開催されました。
一部の講演はオンデマンドではなく現地のみしか視聴できないため、久しぶりの学会に直接足を伸ばしました。
事前登録の段階で、来場するかのアンケートがあったので、そこでは来場するに答えました。
実際に行ってみると、実際の参加者はちょうどいいと言う感じの来場人数でした。
会場で一番驚いたのはポスター発表でした。
いつもなら、会場の壁やパーテーションなどに所狭しと、ポスターが貼られていて、時間になったら、演者が発表するという形式ですが、今回は部屋に複数台のパソコンが置かれているだけでした。
各自でパソコンを操作して、PDFを閲覧するといく形式です。入り口にスッタフがいますが、操作方法の説明書類はなく、各自で操作する形式です。
色々いじってみて操作に慣れましたが、初めは操作方法にと戻ってしまいました。
気になった講演
ポストコロナに向けての小児歯科
病院におけるコロナ対策と歯科での医療事故や防ぐための一つとしてパルスオキシメーターの使用に関しての講演でした。
確かにコロナ対策として感染防に関わる内容は重要です。患者さん対してだけでなく、先生を含めたスッタフを守ることはものすごく大切なことだと思います。実際に処置する先生自身が感染していた場合、そこの診療室を中心に爆発的に感染者を増やしてしまう可能性があります。
コロナが流行する前からも歯科での感染対策が脚光を浴び、日常診療での感染予防対策は重要項目です。
保健所科の指導として、マスク・ゴーグルの使用は指摘されており、昔よりも感染対策は厳しく行われていますし、お子さんを預かる歯科院としては、保護者の方に安心して受診できる環境は重要です。
診療中は神経を張りながら、治療を行なっていましが、悲しい事故も起こってしまうのも現実です。
過去の出来事を運が悪かったで、終わらすのでなく、なぜそのような事が起こったのか?また防ぐには、どのような取り組みをしていかないかを考えなくてはいけません。
ただ全ての事象の予測がつくかというと、そのような事態だけではありません。
そのためにモニタリングが必要で、その一つとしてパルスオキシメーターの紹介がありました。
私自身も予防以外の診療は毎回使用しています。初めは全員に使用するのは大変だと思っていましたが、習慣のせいか今は普通の日常のこととなっています。
ただ小児にパルスオキシメーターをつけると言っても簡単ではありません。
まず安価で販売されているやつは、大人用です。
一部の説明書は大人以外使用しないように書かれてあるものもあります。
私が使っているパルスオキシメーターのメーカーに電話で確認したところ、爪の横幅が問題で、そこの範囲に収まれば使用して構わないと言われました。
子供の場合、協力を得られない場合もあります。その対応の事も講演で話がありました。
過去の事故で、一般の先生がパルスオキシメーターは簡単いつけられるのだから、つけないで診療するのは論外とテレビなどで言っていた先生がいますが、暴れる状態で正確な数とを測るのは、かなりの技量を必要とします。
講演でもでてきましたが精度の高いパルスオキシメーターなら少しずれても合う程度の範囲なら計測できると言う話もありました。
確かに自分も持っていて、使用することがありますが、そのような機器は計測の波が落ち着くまで時間がかかります。
それ以上の精度のものになるとセンサー自体が使い捨てになり、歯科院で通常の診療に使えるかどうか疑問が残ります。
ただ一つ言えることは、事故が起きてから使用するのでなく、事前に装着しておいて、わずかな変化に早く気がつき、行動することができる事が重要だと思います。
今回の講演で私自身が行なっていることが、現状行える可能能な手段であることを再認させられた講演でした。
子供の口腔機能の経験値をあげよう!
今回の講演で一番興味があった内容です。
この講演はランチョンセミナーと言って、業者とタイアップして公演を行い、講演に先立ってお弁当がでます。
学会によっては、地域の素材を意識させるお弁当が別の意味で楽しみにしているイベントであります。
今回は、モリタさんのポスカFとタイアップした内容が発表されました。
近年、親の自宅勤務が増えたことによるジュース類の増加、健診類の延期に伴い、アドバイスなどを受ける機会が激減した時代背景により子ども達の口の中の状態に変化が見られます。
読売新聞の記載にもお口ポッカンは病気という記事の紹介がありました。
Amazonでも、赤ちゃんにミルクを与えるときに使う哺乳瓶をベットに固定する器具なども近年販売を伸ばしており、このような器具では、口の機能浦発達は難しくなっている紹介がありました。
乳幼児の上顎の形態が成長していないお子さんを多く見ます。
中にはしった足らずのような発音障害まで発展するケースも多く見られます。
そこで、今回の講演は、デンタルガムによる訓練方法があげられていました。
まず、しっかり噛むと言う定義の話もありました。
ただ単に30回噛めばいいのではなく、どこの筋肉がしっかり動いているかを、確認しながら行なっていかなくてはなりません。
そしてガムはぜつの訓練で非常に有効であることも説明していました。
口腔機能を保険で算定する場合の説明もありました。
興味があった内容としては前歯で噛む場合と奥歯で噛む場合は脳の活性化される場所が違う点です。
これは驚きました。
ガムを噛む上での注意の説明もありました。
確かについ最近はガムを噛ませていいない家庭も多く見受けられます。
講演ではポスカFのカルシウムは牛乳由来でなくじゃが意味由来のものを使用していると言う説明もありました。
演者の先生の感覚として、白濁に関しては3ヶ月くらいで概ね変化が見られると写真を比較しながら説明がありました。
医科でのアデノイドをとっても練習をしないと鼻呼吸になりにくく再発も多く見られる説明もありました。
そのほか鼻うがいの紹介などもあり、鼻うがいは練習が必要ですが4歳から高齢者まで使えるメリットも話されていました。
口唇と関連運動器官の機能変化から見る摂食スキルの発達
スプーンや上肢にセンサーを取り付けて、捕食時の口唇圧や姿勢、上肢の運動、スプーンの操作に関する実験の報告結果の発表でした。
成人との比較もあり非常に興味深い内容でした。
小児のみで認められた波形パターンがあり、パターンも4分類に分かれていたが、中には迷っている波形や陰圧のみが記録されたパターンがあったが、その波形は成人では認められなかった。
スプーンの操作時間も長く、口唇圧の大きさと積分値は小さい値を示した。
スプーンの更新圧の最大は引き抜く際に、早い段階で更新圧がかかってくることがわかった。
スプーンと頭部の移動量の割合は小児方が頭部の位置のいて優位に動く傾向があった。
スプーンの位置に関して、成人はより正中に近づくのもわかった。
この辺お話は、実際に子供の診療を多く診ている先生は、実務からなんとなく想像ができたはいかもしれません。
その事に関して実験を通して所見を見出せたことはすごい報告だと思いました。
臨床の場でも、昔は常識と思っていたことが、その常識自体を問われる状態に時代になりつつあるのも事実だと思います。
また、スプーンとの位置関係に関しても、障害児の摂食・嚥下の時に成長を図る指標として出てくることなので、今後、指標が実際の臨床の場での評価基準につながる事に期待したいです。
最後に
久しぶりの現地での学会参加は非常に勉強になり有意義なんものでした。
あえて言わせてもらうと。。。
1日目と2日目のランチョンセミナーのお弁当が同じことが。。。
どうで良いことですが、少し許せませんでした。
ただ、中に入っていた琵琶みたな和菓子にはかなり感動しました。
実際に触るまで和菓子とは気が付かず、琵琶だと信じていました。
途中で琵琶にしては小さいな・・・と思い触ってみたらすごく柔くてビックリしました。
ただお弁当が相当数余っていたのが少し悲しかったです。(仕方ないのかもしれませんが。。。スッタフで分けて無駄なくしたことを信じています。個人的には欲しかったかも(汗))
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