[レポート]小児における摂食機能発達とその障害により生じること

小児における摂食機能発達とその障害により生じること

講師:星野倫範
明海大学歯学部口腔小児科学分野
教授
それぞれの発達時期に適した機能を取得できないと問題的な癖が出てしまい十分な機能取得ができないお話しでした。

[講演内容]

 摂食・嚥下障害には全身な要因と局所的な要因ががあります。漸進的な要因としては、肢体不自由、感覚運動不足、食環境の不適、精神・心理的問題、形態異常、神経・筋疾患、知的障害が挙げられ、局所的な要因としては、口腔乾燥、食欲、胃食道逆流現象、食道機能、脳幹脳神経、中枢神経などが挙げられます。
 食事に関しても1人で食べ物を捕食出来る前までには表に示してあるような段階を経て成長していきます。それに伴い顎の形態も変化していきます。生後3か月ではおっぱいを吸うために上顎の中央部分にへこみが著名になっています。生後5か月では哺乳から離乳食に移行するために、上顎の中央の凹みが少なくなってきます。講演では母乳を吸っているときの図解が出ていて、舌の腹を使っている様子が出ていました。自分自身で感じたのが、これが正しい吸い方をしない場合(例えば沿い乳など)は舌の腹を使用する癖が出来ずに舌を上顎に押し込む練習が出来ないため生後5か月では上顎の中央の凹みは無くならずそのままの形態になってしまうと感じました。

離乳食による介助食の始まりとしては、まず口に食べ物を運ぶと言う行為がきます。経口摂取準備期、生後2か月〜4か月頃、自分の指を口に入れたり、おもちゃを口に入れたりします。この行為によって口に物が触れることに対する刺激を学習しています。おもちゃが汚いからと言ってこのような行為をさせないと口を触ることに対して過敏になったっり舌が出たままになり将来的に開口(奥歯で噛んでいる状態で前歯に隙間が出来、舌が見える)となり歯並び不利になるそうです。
嚥下機能獲得期、生後5か月を過ぎると離乳開始時期(発達に遅れが有る場合や個人差もあるので時期がずれるのは問題ないとの事です。小児科学会の論文では生後5か月より前に行うとアレルギー反応が起こり易いと報告があり避けた方が良いとのお話しでした)でドロドロした物を食べ始めます。授乳時とは異なり口を閉じて飲み込めるようになる時期です。下唇が内側に入って上唇は富士山型になります。食事中に不機嫌になったりする場合は、一口の量が多かったり、ペースが速すぎで処理が追いつかなくなっている状態です。その状態でも本人はお腹が空いているので食べますが、処理能力をオーバーしているのでムセたりするようになります。舌を使って食べ物の塊を作れるようになる時期です。それが出来ていないと食べ物が舌の上に広がってしまい、上手く飲み込めなくなります。
次に捕食機能取得期になっていきます。この時期は反射による物で無く、随意運動となります。上唇と下唇を使って食べ物を口に中に運べるようになります。この時期にスプーンを口の中に入れすぎたり、上唇に押し付ける食べさせ方をすると上唇が下がりにくくなります。これが上手くいってないときは上唇と下唇に指を横に置き、口を指で閉じさせ、スプーンで口に持って行き、お口に食べ物が入ったら再び唇を閉じさせます。
押しつぶし機能取得期、舌を上顎に押し付けて舌で押しつぶせる固さの物が食べれるようになります。これが出来ていないと軟性食品でも丸呑み、舌を突出してチュチュ食べ、食物を唾液と混和して食塊形成が出来なくなります。講師の先生の話を聞いていて舌の腹を使って上顎に押し付ける運動は、少し違いますが、しっかりとした授乳の舌の動きに近い物を感じました。(沿い乳をしていると難しいかも知れません)また舌を突出して食べる癖が着いていきます。
奥歯が生えてくる前あたり(生後9か月〜11か月)に、奥歯の顎のお肉の部分で食べ物をすりつぶせるようになります。これが上手く取得出来ていないと歯の上に食べ物を移動させることが難しくなります。食べ物がホッペの方に落ちている場合は舌と頬の協調運動が出来ていません。

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