近くで小児歯科を選ぶ時の見るべき点
近くの歯科院の看板を見ると、必ずセットで出て来るのが小児歯科です。どこを選んだら良いか迷いませんか?
お子さんを見ると診るは全く違います。
結論を言うと小児歯科診療のゴールデンタイムの時間帯に多くのお子さんが来院しているかを確認します。
ゴールデンタイムとは
- 土曜日・日曜日・祝祭日
- 幼稚園・保育園・学校が終わった時間帯
土日や祝祭日は一日中混み合いますが、平日の具体的な時間帯は
午後16時〜18時くらいが、平日のゴールデンタイムになります。
逆を言うと小児歯科ではこの時間帯が多くの来院患者を見込めますが、それ以外は、多くの患者の来院が期待できません。
そのために小児歯科のみで開業する事はかなり困難です。
もし小児歯科のみで開業している場合は
逆を言うと空いている時間は、平日の午前中となります。ただ、一般歯科がメインの歯科医院では成人の患者が多くいることになります。
さらに追加すると、平日の午前中で患者が少なく、平日午後のゴールデンタイムにお子さんの来院が多いと言うことは、小児歯科をメインで診療を行っている可能性が非常に高くなります。
特に赤ちゃんなどの小さなお子さんを診てもらう場合、泣くのが当然なので、泣いていることが当たり前と受け取ってくれる歯科院と、泣いている子は迷惑と捉える歯科医院では、全くの対応が異なります。
当然、小さな子を連れているお母さんにとっても精神的な意味合いで大きく変わってきます。
その他には、
- 小児歯科専門医
- 小児歯科認定医
を、取得している先生が処置しているかをチェックするのも良いかもしれません。
これらの取得状況は日本小児歯科学会のホームページから確認することができます。
逆に注意しなくてはいけない言葉は
- 小児歯科担当
- 小児歯科専門歯科医師
- 小児歯科医
- 小児歯科専門の歯科医師
これは世間一般で言う小児歯科専門医と全く関係ありません。
正確には小児歯科専門医を専門として記載して良い宣伝形式は
日本小児歯科学会認定、専門医、○○(先生の名前)を必ず入れなくてはなりません。
この表記がない場合は要注意です。
小児歯科専門医に関しては、別記事を参考にしてください。
歯科医院の標榜(看板に書いてある)の意味
医療広告のガイドラインにおいて歯科医院で標榜として、歯科医院の外に宣伝として書いて良いのは、
- 歯科
- 小児歯科
- 矯正歯科
- 口腔外科
の4つのみです。
厳密言うと、予防歯科や○○センターなどのインプラントセンターなどは医療広告のガイドラインに抵触します。
私自身もこの業界に長いですが、医療広告のガイドラインで違反で摘発されたという噂は聞いたことがありません。
大半の歯科医院で必ず書かれている小児歯科。歯科と小児歯科は必ずと言って良いほどセットで書かれていています。
これを見ると小児歯科診療は非常に簡単で、歯科医師免許を取得すると自動的に専門性が身につくと捉えがちですが、成人とお子さんの歯は似ていても全く異なる内容なのです。
まず、対応が違います。歯の構造が微妙に違います。歯の役目が全く異なります。
標榜:小児歯科の歴史
昭和の時代、虫歯の宝庫で歯科医院の数が少なかった時。歯科医院は基本予約制ではありませんでした。
なぜなら、予約は保険適応外なのです。
???と思うかもしれません。現在の令和の時代においても、保険診療で予約は、自費となり、保険と自費の両方を同時に算定して良い決まりになっています。
ただし、自由に患者さんが来院すると、歯科の場合は、対応時間の75%が歯科医師対応となるので、非常に長い待ち時間が要求されます。そのため専門性を重視した処置が必要であればあるほど、時間を整理して処置を行う必要があるので、現在は予約を無料で行う歯科医院が多いのはその理由で、厳密に言うと予約は自費扱いとなり、歯科医院の診療を整理するために、予約制度が主流となっています。
当時早い者勝ちで並んで、平均の待ち時間は、2時間と言われていました。
2時間待って、うちは対応できないと言われたどうですか?
何のために2時間待ったのか?
今見たく、受付は答えてくれませんから、まず先生と相談してください!と言われるだけです。先生は忙しいので、順番になったら確認しますので、呼ばれるまでお待ちください!と言われるだけです。
このことが、社会問題となり、子どもを対応するという意味で、看板に小児歯科を掲げることが標墓として許されるようになった歴史があります。
平成や令和の時代では、歯科医院の数が多くなり、1歯科医院あたりの患者数が減ったこともあり、客寄せの看板として小児歯科が、
診る→見る
に変化していったと言う時代背景があります。
逆を言うと看板に小児歯科と書いて無く、“歯科”と“口腔外科”と標榜していない歯科院は口腔外科が専門の先生で、小児歯科は全く診ないと言う意味では潔く、口腔外科に非常にプライドを持っている可能性があります。
逆にこの場合は、一般歯科がおまけ的な存在になっていますが・・・
小児歯科を見る(診ない)先生の特徴
見る→見ているだけ
診る→診療をする
これは大きな違いがあります。
こういう言葉を聞いたことがありませんか?
- 無理にやるとトラウマになる
- 無理な診療はしません
- その子にあったペースで診療をします
- 小さくて可愛そう
- 子どもに悲しい思いはさせたくない
お子さんを見る先生に多く見られる言動です。ホームページを見ていても多く書かれています。
要するに処置がしたくなく、問題を先送りしています。
私の親友の補綴(義歯)の先生は勤務医時代、子どもを見るとき、お約束の言葉が
- 虫歯が大きくなったらやりましょう
- まだ早いですね
- 無理にやったら可愛そうだから
そして、お母さんに言われるのが、そろそろ虫歯が大きくなってきたのですが・・・
子どもが来たときにどのように言いくるめるか大変で、子どもが来ると憂鬱になると言っていました。
当然、専門外ですし、勤務医としては無理矢理配当されて・・・
と言う気持ちがあります。それが勤務医のみならず、医院全体がそのような考え方を持っているとしら、診るではなく見るになります。
そして最後に言われる言葉が、うちでは対応できないので、小児歯科専門の先生がいる歯科医院に行ってください!
こう言われるならまだまして、大半は、他行ってください!で、終わりです。
小児歯科を診る先生の特徴
これは、逆にすごく難しいです。小児歯科を得意とする先生は、得意内容の中、さらに得意と不慣れがあります。
しかし、ただ単に一般に考える小児歯科診療と言う意味では、結果は同じなのでそんな心配はいりません。
先生により違いがありますが、長期的なプランが明確に説明できるが、診る先生の特徴だといえます。
これは小児歯科と一般歯科の考え方に大きな違いがあります。
一般歯科は、横の関わりを重視し、小児歯科は縦の関わりを重視します。
人間社会という意味ではありませんよ!
その子の治療という意味です。
抜けそうでグラグラしている歯を、虫歯治療する意味は無く、抜けるのを待つか、抜けるまで様子を診るか、応急処置にとどめるか、を選択します。
それに対して、一般歯科は、今のお口の中の状態の改善が責務となりますので、その考え方のギャップが出てくるわけです。
ただ利益やサービスとして処置を行っている先生もいますのでなんともいえない点もあります。
ちなみに名前は出せませんが、省や局は、医科、歯科を含め医療行為は、医療を提供するものでなく、サービス業であるとしています。
先生の熱い気持ちが重要な鍵になっている。が、現実です。
最後に
上記の話から、近くの小児歯科を探すときのPointが見えてきたでしょうか?現在の利益関係もありますので、あの手この手で客寄せをする時代になってきています。
居酒屋のキャッチだけでなく、現実のお店、インターネットの世界でもいかに、集客を大量に、流して利益を求める時代に入っています。
経営努力で、より安い製品とか、色々聞くかもしれません。
歯科の世界では、保険点数は同じであれば、なるべくコストはかけたくありません。
当然人件費も同じです。
小児歯科診療には保険的に一部の優遇はありますが、経営と考える微々たるモノです。
利益でなく、熱い気持ちを持った先生を見つけたら、信じてついて行くことをおすすめします。サービスとしての医療行為でなく、その子にとって最高の選択肢が何かを提案してくれる先生を探しましょう!
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