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[レポート]第29回例会赤ちゃん歯科ネットワーク

目次

第29回例会赤ちゃん歯科ネットワーク

H30/10/18に赤ちゃん歯科ネットワーク第29回例会でのお話をレポートします。

不正咬合と気道の改善

[内容]

顔の左右が非対称なお子さんが増えている。
急速拡大(マウスピースではなく矯正用の装置で急激に顎を広げる装置)は5年以内に80%が後戻りする。(後戻りしないような装置を入れる必要がある。)そのため装置に頼るのでなく筋機能訓練(舌は口唇などお顔の周りの筋肉を鍛える。)が有効であると言われ始めていが筋機能訓練で改善するには限界があるとの事です。
「お口ポカン」はなぜ起きるのか?つい最近のお子さんはお口ポカン現象は多いとの事です。現代のお子さんは学校や塾で椅子に座る時間が多く、殆どが猫背の状態で長時間座っているのが実情との事です。
お口ポカン現象の原因
1,大きな原因
不正咬合、食育、異常嚥下(丸呑みなど)、呼吸様式(口呼吸)
2,次に出てくる原因
気道閉塞、睡眠障害
3,それによって起こること
構造異形(鼻を形成している部分を含めた骨の変形)、姿勢
4、3、が起こる事によって
行動生理学 脳との関係でキレやすい子が出来やすく、バランスが崩れていくようになる。
上記の結果、不正咬合や、筋のバランス、口唇閉鎖、副鼻腔のの構造により気道の開放性に問題が起こり、頭と下顎位置に問題が生じるようになるとのお話しです。また猫背になることにより頭と頸椎の角度が大きくなると口呼吸になる傾向が強くなるそうです。ちなみに顎を引いて呼吸するのと、顎を突き出して呼吸をするのでは苦しさが全然違うのを実感できると思います。つまり下の顎が引いた状態では呼吸が苦しくなります。具体的には過蓋咬合(噛んだとき下の前歯が上の歯に隠れて見えない状態)のケースでは顔が長くなります。長くならない人は頭の骨が下がってしまっているので見た目上顔が長くはなりませんが上咽頭が下がってくるのでアデノイドが大きく見え下顎は後方に引張られ呼吸が苦しくなるので猫背と口呼吸が始まります。一方、顔の力学的観点からすると出っ歯の子は舌の位置が低くなり、反対咬合(かみ合わせが逆)の子は長顔貌になります。ですので咬み合わせだけ見ると、将来矯正するから大丈夫と思っていても、成人矯正のみではすでに長くなった顔貌やその周囲の骨の成長を逆戻りさせることは不可能なため事前の顎を整えるための、矯正の前の矯正が必要不可欠です。講師の先生の結論は不正咬合の最大の理由は口呼吸。とのことです。
小児耳鼻咽頭科からの学会誌的として、顔面高の増大、底位舌、下顎の後方回転が起こると悪い姿勢、軟組織の緊張(口呼吸)、咬合異常(不正咬合)が起きると近年?報告されているそうです。
当然鼻との関係も無視できない状態となり後鼻腔が左右非対称だと6歳臼歯の位置がかわり上顎の歯の後ろの部分の骨に歪みが生じるようになる。との事でした。

[まとめ]

〇筋機能訓練が有効(限界があるが)
〇お口ポカン現象は不正咬合、食育、異常嚥下、呼吸様式が1番の大きな原因
〇不正咬合の最大の理由は口呼吸
〇周囲の骨まで影響を与えるため副鼻腔(鼻)にも影響が行く。

子ども達の口腔の現状 歯科の取り組み

[内容]

鼻中隔が右に曲がっている場合は右を向いて寝ている可能性があり、右の鼻が詰まりやすいとの事です。当院でもH30/10/20以降マウスピースを行う方を対象に歯科矯正用写真を追加しております。この写真を撮影することにより鼻の骨の左右非対称なども確認する事ができます。(CTではないのでCTほど鮮明ではありませんが)今回の講演ではありませんが別の講演で、食事の際に本人にとって右側にTVがあり、見ながら食事をしているケースではリラックスして仰向けで寝るとき足のつま先が右に傾くお話しがありました。当院でX線を撮影した結果、横を向いて食べている人は鼻の骨も右側に傾いている結果を得られました。
食べ物を飲み込む際は不随運動と随意運動のどちらかで行われるため、口を閉じる意識を持たせることが重要であるお話しがありました。

[まとめ]

〇マウスピースにより舌を上に挙げる事でいびきは改善される。
〇反対咬合や歯軋りで歯が削れている場合は睡眠障害がある。
〇舌のサポートがないと歯は内側に倒れてくる。(生きる力)
〇食べてるときは口を閉じるよう意識させる。
〇糖ののコントロールを行う。(口呼吸だと酸性化が進む)

子どもの心身の健康を守る眠育「体内時計と睡眠覚醒リズム」

三池 輝久先生(日本眠育推進協議会理事長・熊本大学名誉教授)

[内容]

不登校、適応障害、発達障害の大半は体内時計が狂う事による誘発され睡眠に問題があるケースが非常に多い。との事です。よく眠る子は海馬のサイズが大きくなる。(以前東海大学の教育学で講義を院長が聞きに行ったときは運動によっても海馬は大きくなり、記憶力が増大するお話しを聞きました。)子どもの時の良い睡眠の習慣は認知症を予防する。海馬に蓄えられた知識をシャッフルして必要な物を残して、不要な物をすてる機能があります。睡眠がしっかり取れている人と取れていない人では海馬の大きさに10%の変化があるそうです。そのためには質の良い睡眠が必要との事です。
体内時計で営まれる眠りの役割は、脳を作り、育て、学習による知識を定着させる。老廃物を捨て、神経細胞のメンテナンスを等して覚醒時の認知機能をまもる。認知機能とは見る、学ぶ、考える、決めるなどの知的機能です。では睡眠時間が十分なら睡眠障害は無いかと言うと、寝る時間があれば良いのでなく中途覚醒がなく夜間基本睡眠時間が重要で睡眠時間がバラバラの不規則な物はダメとの事です。
眠る時間よって活動できる体内時計が決まるが、睡眠に問題があるケースでは学校生活に適応できない。でも社会生活があるので無理にでも学校生活に合わせようとするのが現状です。人の体内時計は24時間11分ですが、社会の時計は24時間です。早寝早起きの方はこの11分の差を体が適応出来ますが、夜型の方は適応出来ないケースがあるとの事です。体内時計は人の37兆個の機能を制御する生命維持装置である。
体内時計は「眠りと覚醒」を中心として人の生活の時間割を担い、脳機能のバランス、自律神経機能、体温調整機能、ホルモン分泌、糖代謝、消化器、免疫、協調運動が挙げられます。院長も体内時計は1つというイメージがありましたが、体内時計は臓器ごとに別々の体内時計を持っておりお互いに協調しあう存在だそうです。このリズムが崩れる概日リズム睡眠障害は対人関係と深い関わりがあり、学校、社会からの脱離の原因の大半を占めるそうです。
〇社会との離脱の割合
1,友人との関係 53%
2,死活リズムの乱れ 34%
3,勉強が判らない 31%
4,先生との関係 26%
5、部活の人間関係 23%
・イジメは 0.9%
〇原因
1、睡眠障害 78%
2、過眠型 12%
3,不規則型 9%
4,非24時間型 1%
〇睡眠相後退症候群
1,入眠と覚醒時刻が望ましい時間帯より遅い
2,起床することが極端に困難
3,社会生活に適応できない
4,1度寝ると睡眠を維持できる
注意点として体内時計が狂ったからと言って睡眠障害とは違う事です。
胎児の時期は確立された体内時計は無く、母親の臓器の1つとしての体内時計が動作します。そのため母親の睡眠時間や食事リズムなどリズム的な生活は非常に重要となります。特に夕食は7時までに済ませるの理想との事です。母親が24時以降に就寝に付く場合は新生児は不機嫌で夜泣きが多くなり値付けが悪くなる事が報告されているそうです。(その結果夫婦間でもめることがあるそうです。)概日リズムは2歳までに殆ど完成し、生後の地球上の生活・リズムの明と暗の経験を介して確立します。リズム的な生活が重要とのことです。4歳で10時以降起きているのは論外で11時はあり得ないそうです。体内時計の狂いは自分の時間で生活する分には問題ないが社会のリズムに合わせようとした時に問題を起こす。
体内時計と社会の時計が狂うと
子どもの時:発達障害、不登校、引きこもり、鬱症状
成人   :鬱、糖尿病、心臓血管病、免疫異常(膠原病)、がん、認知症
妊娠中の母親の睡眠欠如は胎児の炎症を起こす。母乳は悪くは無いが万能では無い。水溶性ビタミンDH指導が不足する。このビタミンDは胎児の体内時計の形成のズレによる炎症を軽減させる効果があり、炎症物があると胎児の海馬は発達しないそうです。
発達障害はイライラ型になる。(約48%)両親がスキンシップを夜に集中させるのは赤ちゃんの生体リズムの形成を邪魔することになる。そのため将来の睡眠障害=認知機能の低下につながる基っとなるそうです。また睡眠の修正は小学校に入る前迄に行うとなんとかなるそうです。望ましい生活は、家族全員が20時〜21時に寝る。途中で仕事をしない。(子どもに気がつかれる)早寝早起きをする。早く起きない子は成績に問題が出やすい。を訴えていました。
寝る時間と起きる時間に30分のばらつきは問題ないが90分は問題を引き起こし、自律神経症状が出てくるので、これは警告のアラームなのでこの時期に必ず対策を行う必要があるそうです。夜間の睡眠が不十分なのに昼寝が無い場合は興奮性の何かを疑った方が良いそうです。

[まとめ]

〇寝る時間:朝7時には起きれている。寝る時間は19時。
(講演では多分3歳〜5歳位を指している用に感じましたが、年齢は不明です。)
〇眠りの持続時間
〇眠りのリズム
上記の3つがそろって良い眠りで適切な体内時計が

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